DUNE 感想
予告のシーンが全部夢のシーンだったなとハッキリわかる瞬間に「あーこれそういうことね」と悟った
ヴィルヌーブの気合の入りから、うまくいったらいいねとはおもうけど、こういうタイプのやつって尻切れトンボで終わっちゃうよね… 2049はひじょうにまったりしたテンポで、官能的耽美的とも言えるような綺麗な映像がバーンと長めに入ってくるので何回か寝てしまった
個人的には、90分くらいの尺でテキパキ進んでサラッと終わる映画が好きなので、もったりした映画を映画館できちんと襟を正して見るのは骨が折れる
これは公開当時京都にいて、京都みなみ会館に足繁く通っていたころにかかっていたのをおぼえている DUNE もホドロフスキーも知らなかったので、なんか大作を作ろうとして失敗した人のドキュメンタリーらしい、程度にしかおもっていなくてスルーしたのだが、パンフなどにも書いてあるがホドロフスキーが DUNE を構想したことでどれだけSF映画というジャンル自体が前に進んだのかということがわかった
そういう予備知識はうっすら入れたが、肝心の DUNE は原作も未読でまっさらな状態で劇場に臨んだ
まっさらだったけど、話としては最近みた最後の決闘裁判と(時代は1万年くらい違うけど)ほぼ同じで、結局は宇宙を舞台に封建政治をやってて、んで権力闘争に巻き込まれた若き後継者の話で、そのボーイワンダーの出自にはカルトも関わっていて...みたいな CK3で皇帝をやってて伯爵と男爵を喧嘩させておいたり、公爵をけしかけたりするのでわかる 父が殺されて幼くして即位したりもするしね...
本作はもうなんと言ってもティモシー・シャラメその出で立ちだけで成り立ってると言っても過言ではなくて、佇んで物憂げにしているだけで3時間終わってしまったんじゃないかという 前後編?だったとして、前編で現地の部族の通過儀礼を乗り越えて一皮剥けました~っていうだけの話だよね(?)
カルトのお母さんは恐らくマリア的な存在なのだろうけど、新興宗教にハマってしまった母然としていて、そしてそれにノコノコくっついているポールも若干キモさはあったが、シャラメだから許されるんだろうきっと あとジョシュ・ブローリンがどうしても上映中に思い出せなくて、絶対知ってるのに全然出てこない、誰だったっけ...?という状態のままエンドクレジットがはじまって「あぁーーー!」みたいな 途中ハンス・ジマーっぽいけどこれ御大なのかな...?フォロワーかな...?本人だったらまた新天地を切り拓いた感あるなあ、とおもってみてたら本人だったので少し驚いた 砂漠というテーマからかアラビアンなテイストも感じさせつつ、しっかりSFやスペースオペラっぽさもあって、ここへきてすっかり多作になってきた師の新たな代表作きたなあ、とおもった SF的なガジェットは若干歪というか、2049にも通じるようなレトロフューチャー感のあるテイストで、トンボみたいな形状のヘリコプターが最後まで気持ち悪かった もしかしてだけどヴィルヌーブって虫が好きなのかな...
シールドの仕組みも特に解説はないので、雰囲気だし、スパイス?も砂漠中に充満している?のか?とかサンドワームの描かれ方はなんか続編で大事になってくるやつ...?とか
まーもう細かいことはいいから各々察してくれよな!ってことな気もする
そもそも原作読めし!ってことかも
主人公の家は侍医の裏切りごときで壊滅的な打撃を受けるってどんな脆弱な守備やねん...その程度で皇帝にも恐れられてるの?と甚だ疑問だし、母のカルトには読真?という技が使えるそうだから雇う時は身体検査ちゃんとやりなよ...ともおもったりもするが、まあそういうことなんだろう!細けえことはいいんだ!若くして戴冠した!それだけ!
敵は宇宙から航空機に乗って出撃してくるのに、刀を持って特に隊列を組むわけでもなくダッシュしていく軍隊が凡そ強そうには感じないが、まあそういうことなんだよ!家の軍隊はがんばった!
男臭~い映画に、なんとか女性を投入しているのはがんばりを感じたけど、侍医だけちょっと浮いたアジア系でなんか意図あるんだろうか?とちょっと気になってしまった
王族たちは明らかに性差がキッチリとわかるようなファッションをしているが、先住民は逆にわからないようなファッションなので意図を感じた
ゼンデイヤさんもこうして見ると中性的な顔立ちをしているというか、シャラメ氏と並ぶとイイ塩梅だった(出番は少ないけど) ヴィルヌーブからしたらこういうこと言われるのは不愉快かもしれないし原作はどうか知らんけど、少なくとも本作はエヴァっぽさあったとおもう シャラメはモロにシンジっぽいし、お母さんはユイとミサトさんを足して2で割った感じだし
父ちゃんがゲンドウみがあるかは要審議だけど
ま、もしかしたらお母さんがゲンドウとユイとミサトさんを足して3で割った人なのかもしれない